特別養護老人ホーム費用の内訳

Question

地方にいる一人暮らし親が要介護5で特別養護老人ホーム(以下:特養という)への入所を考えています。

 

近所の方で特養へ入所している方の家族の方に聞いてみると、「毎月5~6万円くらいかな~」と言っていました。

 

また、他の人に聞いてみると「13~14万円くらい払っているかな~」と言っていました。

 

私の親の場合はどうなんでしょうか。貯金はほとんどなく、収入も年金収入のみで50万円くらいです。

 

Answer

(結論)

お母様の場合は、毎月5~6万円くらいです。

 

施設費用は、低所得者には食費や居住費の補足給付があり、費用が軽減されています。

 

また、相部屋か個室かなどにより費用が違います。

 

 特養などの介護保険施設を利用した場合の自己負担額の構成は次のようになっています。

サービス費用(1割~3割)+食費居住費日常生活費

 

サービス費用:(※施設の形態、居室の種類、職員の配置などによって異なります。)本人の所得により異なります。

 

お母様は、年金収入280万円未満ですので、サービス費は1割負担となり、負担額(要介護5)は1日あたり、多床室の場合は、829円、ユニット型個室は910円です。(参照:厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索

 

1ヶ月(30日)あたりでは、

  • 多床室:829円×30=2万4870円
  • ユニット型個室:910円×30=2万7300円

 

 食費:住民税課税世帯か否かで異なります。

 

お母様の場合は、年金収入が50万円ですので、非課税世帯になります。

 

利用者負担段階が第2段階となり、負担額は1日あたり、390円です。

 

なお、仮に基準費用額(住民税課税世帯など)であれば、1380円です。

 

1ヶ月(30日)あたりでは、

  • 利用者負担2段階:390円×30=1万1700円
  • 基準費用額:1380円×30=4万1400円

 

 

居住費:住民税課税世帯か否かで異なります。

 

お母様の場合は、年金収入が50万円ですので、非課税世帯になります。

 

利用者負担段階が第2段階となり、負担額は1日あたり、多床室の場合370円、ユニット型個室の場合820円です。

 

なお、仮に基準費用額(住民税課税世帯など)であれば、多床室の場合840円、ユニット型個室の場合1970になります。(参照:厚生労働省 介護事業所・生活関連情報検索

 

1ヶ月(30日)あたりでは、

  • 利用者負担2段階:多床室370円×30=1万1100円、ユニット型個室820円×30=2万4600円
  • 基準費用額:多床室840円×30=2万5200円、ユニット型個室1970円×30=5万9100円

 

日常生活費:月1万円くらい

 

お母様の場合、多床室(相部屋)に入れば、1ヶ月あたり5万7670円

具体的には、サービス費用(2万4870円)+食費(1万1700円)+居住費(1万1100円)+日常生活費(1万円)

 

なお、お母様のサービス費用は、自己負担額の上限が1万5000円となります(高額介護サービス費)。

具体的には、上記の多床室に入所した場合、サービス費を一旦、2万4870円の支払い後、3ヶ月後くらいに2万4870円と1万5000円の差額が9870円が戻ってきます。

 

ユニット型個室に入った場合には、1ヶ月あたり7万3600円になります。

 

近所の方が、「だいたい5~6万円くらいかな~」と言ってられたのは、入所されている方が、多床室で、「住民税非課税世帯の方」かつ「預貯金が一定額未満の方」だということがわかります。

 

一方、「13~14万円」かかっているという人はどのような人でしょうか。

 

「住民税課税世帯の方」や「預貯金が一定額ある方」などの人が、ユニット型個室に入所した場合にあてはまります。

 一例をあげると、現役時代サラリーマンで厚生年金に加入している方(住民税課税)が、ユニット型個室に入所した場合などです。

 

このように、施設費用に幅があるのは、低所得者に食費や居住費の補足給付があり、費用が軽減されていることや相部屋か否かなどの違いにより費用の違いがでます。

 

突然介護は襲ってきますので、事前に情報収集することや、ライフプランに反映することは重要です。

 

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