介護費用はいくらかかる

介護費用は一体どのくらいかかるの?

介護にかかるお金は、人によって違うので一概には言えないとよく聞きます。確かに、老人ホームなどに入って「何千万円かかった」などゾッとする金額を耳にすることもあります。皆目見当がつきません。ただ、少しでも参考になる目安がないと準備することもできません。

 

そこで介護費用を把握するために次の1~4を把握してはどうでしょうか。

 

  1. 介護の仕方を決める(在宅介護もしくは施設介護)
  2. 毎月の介護費用の把握
  3. 介護期間
  4. その他一時金など

 

介護費用は、介護の仕方をどうするのか、例えば、在宅でするのか、施設(さらには、公的施設か民間施設か)でするのかでお金は変わってきます。生命保険文化センター「令和3年度 生命保険に関する全国実調査」によると毎月の介護費用は、平均で毎月8.3万円(場所別で「在宅で平均4.8万円」、「施設では平均12.2万円」)となっています。

 

介護の仕方が決まれば、毎月の介護費用が把握できます。次に介護期間です。介護期間は予測不能です。ただし、同調査で、平均の介護期間があります。平均は5年1か月。注目すべきは介護期間が10年以上が、約6人に1人以上いる点と増えている点です。私の母親の場合も、約17年間でした。介護期間が長くなれば、介護費用はどんどんと増えていきます。介護期間は、要介護者(介護になっている人)が亡くなくなることで終わりを迎える場合が多く、悲しみにもなります。介護期間でご参考になる一つの資料として平均余命ではないでしょうか。あとは、施設に入った場合の平均在所期間なども参考になります。なお、一時的な費用は同調査では約74万円となっています。

 

介護費用=毎月の介護費用×介護期間(月数)+一時金など

※下記概算は、単純に上記の計算式に当てはめただけです。

  • 在宅介護の場合、毎月の介護費用(4.8万円)×介護期間(61か月)+一時金(74万円)=約370万円
  • 施設介護の場合 毎月の介護費用(12.2万円)×介護期間(61か月)+一時金(74万円)=約820万円

 

介護は「いくらお金がかかったか」ということではなく、「いくらお金をかけられるか」ということになり、在宅介護でも介護サービスを介護者(介護をする人)が行えば、費用は減るでしょう。ただし、介護者の精神的負担、肉体的負担は増加します。

 

かなり乱暴に例えるなら、現在、駅から徒歩3分のマンションに住んでいます。家賃5万円としましょう。

ある日突然、大家さんから家賃12万円にするとの通知があれば、引っ越すか否かを考えると思います。

その時に、お金が支払えると思えばそのまま家賃12万円で住み続けるでしょう。この場合は経済的負担の増加だけです。

ただし、5万円以上は支払えないと思えば、引越しをするしかありません。

 

5万円の家賃のマンションを探してみると、駅から徒歩30分のところしか見つかりません。

こちらに引っ越すと家賃は今までと変わりませんが、駅から遠くなり肉体的・精神的負担は増加します。つまり、介護も住処と同じでその人にとって経済的負担・肉体的負担・精神的負担のバランスをどう考えるかになります。

 

 

また、今後、介護保険の自己負担額や介護期間は増加すると予想されますので、これらの状況を踏まえて介護資金の確保が必要だとも言えます。